シルクアイテムができるまで②
命と愛情 – lives & affection –
アイテムができるまでの各工程や仕様など、作られ方が見えるのもCafco.dallaの大きな特徴。そんなCafco.dallaのものづくりは、生きたストーリーで溢れています。
Cafco.dallaの養蚕は、かつて養蚕が盛んだった愛知県豊田市を舞台に。
お蚕さんの一生は、約1ヶ月半ととても短く、その短い一生の間に卵→幼虫→サナギ→成虫と姿を変えます。卵から孵化(ふか)すると、お蚕さんは約30日間桑の葉を食べ続けます。そして、その間に4回の眠と脱皮を繰り返し、体長は約10倍の6cmほどまで大きくなります。お蚕さんが小さいときは、養蚕家さんは、柔らかい桑の葉を包丁で細かく刻み与えます。
「まるで離乳食だよね。笑」
養蚕家さんはそう言って笑います。お蚕さんのエサとなる桑を育てるのも、養蚕家さんの大事なお仕事なのです。
お蚕さんがすくすくと大きくなれるよう、 室温、湿度、風通し、桑の葉のあげかたなどに気を配り、愛情をかけて育てます。 その育て方は、のちの糸の太さ、長さ、糸ムラなどを左右します。
「大きくなってね」「居心地は良いかい?」
お蚕さんに語りかける養蚕家さん。命への愛情があってこそ、病気にならない元気なお蚕さんが育つのです。
おなかいっぱい桑の葉を食べた5齢のお蚕さんは、やがて桑の葉を食べなくなり、その体は透き通ったアメ色となります。そして、頭と胸を8の字のようにゆらゆらと動かしながら、糸を吐き始めるのです。一斉に糸を吐き始めるお蚕さんたち。その光景は、神聖ささえ漂います。
2昼夜休むことなく糸を吐き続けたお蚕さんは、その後繭の中で脱皮をしてサナギになります。そして10日ほどでサナギは蛾となり、繭に穴をあけながら羽化します。しかし、穴があいた繭からは良い糸が繰れません。私たちは、蛾が羽化する前に、繭を乾燥させて殺蛹(さつよう)し、その繭から糸を繰るのです。
「生糸」
それは、生きた糸。命をいただき、私たちは身に纏う。シルクは、そんな生きたストーリーのあるものなのです。